取材のやり方は?元記者が教えるフリーライターも使えるコツ

取材・記事・広報

こんにちは。記者からフリーライターに転身したランと申します。
マスコミ時代には平日2~3件、ライターに転身してからも週に数件の取材をこなしてきました。

このページを開いてくださった方は下記のような悩みをお持ちではないでしょうか?
・フリーライターとして取材もできるようになりたいけど、未経験だから怖い
・広報部に異動後、社内取材をするように言われた。何からやればいいの?
・就活中でマスコミに興味がある。でも、取材ができるか不安……


大丈夫、最初は誰でも初心者です。
どんな著名なジャーナリストにも「初取材」がありました。

この記事では、そんな悩みをもつ方向けに、取材のやり方をしっかりご説明します!
皆さんの不安が少しでも解消されたらうれしいです。
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取材前に準備するほどあとがラクになる

マスコミ時代、先輩から「記事は事前準備が7割」とよく言われていました。
よくある台詞らしいですが、本当にそう思います。

「面倒くさい!当日本人に色々聞くんだからいいじゃん」と思う方もいるかもしれませんが、実は事前に準備するほど楽になります。
どんなベテランでもここを省略する人には会ったことがありません。

取材当日は時間との闘いでもあります。取材相手が急用で遅刻してくる、取材とは関係のない話を語りたがる…など予定にないトラブルも発生するかもしれません。そのなかで決められた時間内に話を聞くためには、前もって下調べをすませておき、話題の優先順位を把握しておく必要があります。

また、準備をしていくうちに取材に対する緊張が和らいでいきます。
取材相手やテーマについて調べるうち、「早く会ってここを聞きたい!」と思うようになります。緊張より知的好奇心が上回れば、取材も不思議と楽しみになるものです。

準備はいいことずくめです。

取材対象者・取材テーマを深掘り

取材対象者が過去に何らかのメディアに登場しているならしめたもの。
Webサイトなどで検索し、既に公開されている記事をピックアップして読み込んでおきましょう。

その際、ただ流し読みするのではなく、いち読者として読むことを心がけましょう。
「この回答の意味がよくわからない」「この新聞とあのWebメディアで言っていることが矛盾してない?」…など、疑問点を見つけられたら最高です。

あなたが読者として抱いた疑問は他の人たちも同じように感じる可能性が高いです。
それを無視して、過去の記事をなぞるような内容の取材をしたところで、新たに記事を出す意味があるでしょうか?

過去の記事にない情報を盛り込む・過去の記事から情報を更新することで、読者のためになる記事を心がけることが大切です。そのためにも疑問点はメモをして、取材時に聞けるようにしておきましょう。

取材対象者がSNSを活用している場合、投稿数にもよりますが、直近一カ月分は目を通しましょう。
取材内容と直接関係なくても、お会いした際に

「××さんのSNSで見たんですが、最近〇〇に旅行されたんですか?私の地元なんです~」
「先日投稿されていたお部屋のインテリアとっても素敵でした!」

…など、アイスブレイクに使えるかもしれません。

取材対象者がメディアに出るのがほぼ初めて、という場合でも下調べの方法はあります。
たとえば対象者が企業の何らかの部署の部長の場合、その人自身はメディアに出たことがなくても、前任者は露出したことがあるかもしれません。「A社 商品開発部 部長」などで検索すれば、その前任者が取材対応している記事が出てくることもよくあります。

取材テーマについてもできる範囲で調べておきましょう。

たとえば企業が新しく発売するモノ・サービスについて取材する場合。
・プレスリリースを読んで概要をつかむ
・競合はいる?競合と比較して何が違う?などを調べる
・発売に至った背景を想像してみる(取材する企業の個別事情、社会的背景)
・発売による影響を想像してみる(業界内での影響、社会への影響)

上記のような事柄を調べておくといいでしょう。PR記事(取材される側がお金を払っている広告の一種)でも通常の取材記事でも、消費者(読者)の立場から知りたいと思うであろうことを考えて、それを代わりに調べておくようなイメージです。

下調べで仮説を立てて、正解は取材の際に確認すればOKです。

複雑な専門用語が出てくるような取材であれば、ここで調べてメモしておきましょう。

質問項目を共有しておく

記者のころもフリーライターに転身してからも、質問項目を事前に送っておく取材がほとんどです。
面倒かもしれませんが、相手が質問を把握してくれていたほうが当日の取材もスムーズになりますし、自分も改めて取材テーマを俯瞰できるので是非共有しておきましょう。

「取材が初めてで、下調べもしたけど何を聞いていいか全く分かりません…!」という方におすすめなのは、似たテーマの記事を読んでおくこと。

たとえば「うちの社員に話を聞いて、採用広報につながるような記事を書いてほしい」と依頼されたなら、Web上にごまんとあふれるキャリアサイトの社員インタビューをいくつかピックアップして読んでみましょう。だいたい似たようなことを聞いていることに気がつくと思います。

同じような質問でも回答が人それぞれなので、付随して新たな質問が生まれ、違う記事として成立しているだけです。

共有の仕方で気をつけたいのは、そんなに詳しく書かなくていいということ。
下調べして疑問に思った内容まで細かく書く必要はありません。「~の概要」「~の背景」「~によってどんな影響が出ると考えられるか」など、ざっくりでいいのです。


取材対象者のなかには、事前に送った質問項目をじっくり読み込んで回答を用意する人もいれば、時間がなくて目が通すだけの人もいます。簡潔に分かりやすく、を心がけましょう。

いよいよ取材本番!こんなときどうする?

私は基本、約束の1時間弱前には取材場所を確認し、近くのカフェなどで事前に調べたことを振り返る作業をしています。交通機関の乱れなどを考慮して、時間には余裕をもちましょう。

オンライン取材の場合、30分前からPC前にスタンバイし、同じく事前準備の内容を復習しています。

当日の持ち物

対面取材の場合、下記を用意しています。

①筆記用具

記者時代から、下記のような薄くて軽いノートを愛用しています。事前の下調べの内容も、取材で聞いた内容もここにメモします。

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上の画像はあくまで例ですが、このようにノートを縦半分に折って使います。
折らずに使ってももちろんいいのですが、どこで改行するか迷ってしまうので、臆せずどんどん書いていけるこのスタイルにしています。

取材中、話題が脱線しそうなときなどはページ冒頭に書いてある注意点をちらっと見て、目的を見失わないようにしています。

ペンはすらすら書けるジェットストリームを愛用しています。「画像のものだと安っぽくて嫌がられそう…」と不安な方には下記のような名前が入れられる高級感のあるタイプもおすすめです。

ボールペン 名入れ ジェットストリーム 4&1 0.5mm 0.7mm 0.38mm 多機能ボールペン シャーペン 名入れ ペン プレゼント ギフト 三菱鉛筆 卒業記念品 卒団記念品 入学祝 就職祝 誕生日 名前入り 記念品 1本から 卒業式

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②録音できるもの

最近ではスマホで録音&文字起こしまでしてくれるアプリもあるので、それらを活用するのもいいと思います。ただ、私も色々使っていて思うのですが、文字起こしの精度はまだ十分とは言えません。結局自分で聞き直して、間違っている・抜けている部分がないかの確認は必要です。

ちなみに記者のころは、会社から貸与されていたスマホによく電話がかかってくる(マナーモードにしていました)ので、ボイスレコーダーが必須でした。

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録音する際は取材冒頭で許可を得るのを忘れずに!

③名刺/名刺入れ

取材時、思ったより先方の人数が多くて名刺が足りるか不安になる…のはあるあるです。多めに用意していきましょう。忘れるのが怖いので、私は財布にも何枚か入れておくようにしています。

④(撮影もするなら)カメラ

記者のころはよく貸与されたiPhoneで撮影をしていました。写真部のカメラマンの人たちはよく駆り出されていて常に来てくれるわけではなかったので、社長取材など以外では自分で撮影することが多かったです。

フリーライターになってからは、現場でクライアント様・カメラマンの方と落ち合うことが多いです。こだわりのある方・好きな方はぜひ自分の一眼レフなどを持って行ってください!

記者のころも先輩のなかには「携帯を向けるのは気が引ける」という方がいて、下記のようなコンパクトデジタルカメラを使っていました。

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簡単な流れ

当日の簡単な流れとしては、①名刺交換→②着席、挨拶、取材趣旨の説明→③取材→④写真撮影が主流かと思います。

②では時間を頂戴したお礼を忘れずに。フリーライターの場合、取材趣旨の説明は同席したクライアント様がすることも多いです。

聞いたら怒られる?口数が少ない!トラブル対処法

①初歩的なことを聞きたいけど、怒られそう

聞きましょう。ちゃんと下調べをしたあなたでも分からないことは、読者だってきっと分かりません。
専門家はどこからが専門知識か分からなくなっていることも多く、悪気なく難しい話をどんどんしてしまうこともあります。

聞いて大丈夫です。読者を代表してそこにいるあなたが聞かなければ、あなただけでなく読者にとってもずっと疑問のまま。このあと記事を書く際もどう書けばいいか困ってしまいます。

「〇〇の点ですが、申し訳ないのですが一般向けにもう一度説明いただけますか?」
「××については勉強不足でした。お恥ずかしいのですが理解できた自信がなく、記事を書くために基本的な質問をしてもいいですか?」

…など、聞き方はいろいろあります。

②取材対象者の口数が少ない!文字にできるか不安

大丈夫、よくあることです。普段からあまり喋らない方もいれば、なかには取材に緊張されている方もいます。

対処法としては、下調べからアイスブレイクネタを話題に出す、過去に対象者が出ていたメディアの話をして当時の取材の感想を聞く…などがあります。

それでも喋ってくれなければ、あなたがべらべら喋って取材を進めてしまってOKです。
「このとき〇〇という選択をされたと思うんですけど、これは××という思いがあったから、ですね」
「これによって得られるものって△△ですね」

合っていればYesと答えるでしょうし、違っていると「いや、そうではなくて…」とどんどん喋り始める方が多いです。
①でも同じことが言えますが、取材相手だって間違った情報が社会に出るのが一番いやなのです。

強引にも見えますが、大人同士しっかり約束を取りつけて会っているのだから、喋ってもらえないなら記事にも仕事にもなりません。

取材終了後にやっておくこと

その場でお礼を伝えるのはもちろん、帰宅してからお礼のメールを送るといいでしょう。
時間を取ってくれたお礼と、取材のなかで印象に残ったことなどを簡潔に伝えるくらいでOKです。

フリーライターで、取材対象者と直接やり取りをしないようクライアント様と契約している場合などをのぞきます。

まとめ

事前準備さえ怠らなければ、取材は怖いものではありません。
むしろ、新しいことを詳しい人からじかに教えてもらえる絶好の機会です。

臆せずチャレンジしていきましょう!

最後に、記者や広報の方必携とも言われる書籍を載せておきます。
記事やプレスリリース執筆中、「正しい日本語ってどれだっけ」と迷ったときの辞書のような存在です。

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感想(6件)

ここまでお読みいただきありがとうございました!
参考になれば幸いです。

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